「社員のランチ代負担を減らしたい」「健康経営や採用力強化につながる福利厚生が欲しい」「でも、社内に厨房を作る予算もスペースもない…」
こうした悩みを抱える中小企業の経営者や担当者の間で、今注目されているのが「出張型社員食堂」です。
この記事では、「出張型社員食堂」の基本から、他の選択肢との違い、気になる費用、導入の具体的なステップ、そしておすすめサービスまで、導入までに必要な情報を網羅的に解説します。
目次
社員食堂の主な選択肢を徹底比較
「社員食堂」と一言でいっても、その選択肢は一つではありません。まずは全体像を把握し、それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
比較早見表
比較軸 | ① 出張型 | ② 常駐型 | ③ 配送型(弁当) | ④ 置き型社食 | ⑤ 外部デリバリー |
温かさ・できたて感 | ◯ | ◎ | △ | △ | ◯ |
初期費用 | ◎ (ほぼゼロ) | × (高額) | ◯ | ◯ | ◎ |
運営コスト | ◯ | × | ◯ | ◎ | △ |
導入スピード | ◎ | × | ◯ | ◎ | ◎ |
評価 | コスパと品質の両立 | 高品質だが高コスト | 手軽だが満足度△ | 食事の補助 | 単発利用向き |
出張型社員食堂とは?
出張型社員食堂とは、「社内に厨房施設がなくても、調理済みの食事を運び込み、現地で最終的な仕上げや盛り付けを行って、温かい状態で提供する」サービスのことです。
多くの場合、セントラルキッチンで専門スタッフが衛生管理のもと調理し、各企業へ配送します。
提供方式は、現地の保温カートで温める「再加熱・保温カート方式」や、一部の調理を現地で行い、よりできたて感を出す「現地・軽調理方式」などがあります。
企業の負担が少ないのが最大の特長で、会議室や休憩室の一角(10〜15㎡程度)と家庭用の電源さえあれば導入可能です。費用は1食500円〜700円台が中心で、多くの場合、一部を会社が福利厚生費として補助し、社員はワンコイン程度の負担で利用する形で運用されています。
出張型社員食堂を導入するメリット
出張型社員食堂が選ばれる理由は、会社と社員の双方に大きなメリットがあるからです。
会社のメリット
- 初期投資の抑制
厨房設備や工事が不要なため、数百万円単位の初期投資をゼロにできます。予算が限られる中でも、質の高い福利厚生を実現できるのが最大の魅力です。 - 管理コストと手間の削減
栄養士や調理スタッフを直接雇用する必要がなく、食材の仕入れや在庫管理、衛生管理といった煩雑な業務もすべて委託先に任せられます。 - 「健康経営」の具体的な実践
管理栄養士が監修した栄養バランスの取れたメニューは、「健康経営」の最も分かりやすい実践例となります。社員の健康意識の向上や、生活習慣病の予防にも繋がります。 - 採用活動における強力なアピール材料
「温かい社食あり」という福利厚生は、非常に魅力的なアピールポイントとなります。
社員のメリット
- 時間と手間の節約
外の飲食店への移動や、お弁当を買うための行列から解放されます。貴重な休憩時間を、休息や同僚とのコミュニケーションに有効活用できます。 - 健康的な食生活
毎日のランチで、自然と野菜を多く摂れたり、塩分をコントロールできたりします。「考えなくても健康的な食事になる」のは、忙しい社員にとって大きな価値です。 - 実質的な手取りが増える
ワンコイン前後で質の高いランチが食べられるため、物価高の中、社員の可処分所得を実質的に増やす効果があります。これは、隠れた昇給とも言えるでしょう。
導入前に知っておきたい注意点と解決策
多くのメリットがある一方、導入前にはいくつかの注意点も理解しておく必要があります。ただし、これらは事前の相談や運用方法の工夫で解決できることがほとんどです。
- 注意点1:提供時間が限られる場合がある
多くは昼のコアタイムでの提供となります。 解決策:
交代勤務やシフト制の職場の場合、提供時間をずらしたり、複数回に分けたりといった対応が可能か、事前に委託会社へ相談しましょう。
- 注意点2:メニューの選択肢が常駐型よりは少ない企業もある
スペースの制約上、常駐厨房のように毎日豊富な選択肢を用意するのは難しい場合があります。解決策:
日替わりメニューを基本としつつ、週替わりの特別メニューやイベント(カレーフェアなど)で飽きさせない工夫をしている事業者を選ぶのがおすすめです。
気になる費用は?
具体的な費用感をイメージするために、現地調理の場合の費用と出張型社員食堂を利用した場合の費用を比較してみましょう。
50食での月額コスト比較参考例
導入までの流れ
「うちでもできそう」と感じたら、次に関心を持つのは導入までの流れでしょう。一般的に、以下のステップで進みます。
- 要件整理・問い合わせ
おおよその利用人数、予算感、設置場所の候補などを整理し、気になる事業者へ問い合わせます。 - 事業者選定・試食会
2〜3社に絞り、担当者から詳しい説明を受けます。最も重要なのが「試食会」です。
社員にアンケートを取り、味やボリュームの評価を集めましょう。 - 契約・導入準備
契約後、決済方法(ICカード、給与天引きなど)や運用ルールを決定。事業者による現地調査を経て、最終的なレイアウトを確定します。 - 社内告知・本導入
社員への周知期間をしっかり設けます。メニューの魅力や利用方法を丁寧に伝え、期待感を高めた上でサービスを開始します。
失敗しない出張型社員食堂サービスの選び方と比較
比較検討すべき5つの基準
- 対応食数とエリア:
自社の事業所の場所が配送エリアに入っているか、そして「〇食から」という最低対応食数をクリアしているか、最初にチェックしましょう。 - 食事の品質とコンセプト:
手作りの温かみ、素材へのこだわり、メニューの多彩さなど、自社が社員に届けたい「食の価値観」と事業者のコンセプトが合っているかを確かめてみてください。 - 料金体系の透明性:
1食あたりの価格だけでなく、見積もりに最低保証料金や配送費などがきちんと明記されているか、しっかり確認しましょう。 - サポート体制:
トラブル発生時の対応や、導入後のメニュー改善提案など、伴走してくれる姿勢があるかを見てみましょう。 - 試食・トライアルの可否:
社員の声を直接聞ける「試食会」や「トライアル期間」が設けられているかは、後悔しない選択をするための大切な確認事項です。
おすすめサービス紹介
上記の基準を踏まえ、実績のあるサービスを3社ご紹介します。
1. LEOC(レオック)
- 特徴:
業界最大手の一角。社員食堂から病院・介護施設まで、あらゆる食の現場で実績を持ちます。
全国規模の安定した供給網と、徹底した安全管理体制が強み。企業の規模や要望に応じた多様なプランを提案。 - こんな企業におすすめ:
実績と安心感を最も重視する企業や、全国に支社があり、まとめて委託先を探している大企業、大ロットでの委託を検討される企業。
2. オフィスおかん
- 特徴:
「置き型社食」タイプの社食です、オフィスに設置した専用冷蔵庫に、お惣菜が毎月届きます。1品100円〜という手軽さと、24時間利用できる利便性が魅力です。 - こんな企業におすすめ:
従業員数名の小規模オフィス。温かい食事にこだわらず、まずは手軽に食事を導入したい企業。
3. セカンドキッチン
- エリア:
京都、大阪、奈良 - 強み:
1食500円からという高いコストパフォーマンス。
初期費用・固定費ゼロで30食程度の小ロットから始めることが可能です。細かい要望にも対応する柔軟性の高さや、国産野菜や天然出汁を使った、飽きのこない「手作りの味」に定評があります。 - 料金目安:
500円/食〜 - こんな企業に:
コストを抑えつつ、味と品質には妥協したくない中小企業。
関西のおすすめサービス
全国展開のサービスも魅力的ですが、地域に根差した事業者には、より柔軟できめ細やかな対応が期待できるというメリットがあります。
以下の記事で大阪・京都でおすすめの社員食堂委託先を解説しておりますので、あわせてご覧ください。
【2025年最新版】大阪でおすすめの社員食堂委託サービス6選!
【2025年最新版】京都で社員食堂を委託するなら!おすすめサービス6選
よくある質問(FAQ)
Q1. 最低何人から利用できますか?
A1. 事業者によりますが、30名程度の比較的小規模から対応可能なサービスが増えています。週数回からの利用ができる場合も多いです。
Q2. 本当に厨房がなくても大丈夫ですか?
A2. はい、大丈夫です。会議室や休憩室の一角と電源さえ確保できれば、ほとんどの場合で導入可能です。
Q3. 試食はできますか?
A3. ほとんどの事業者で、契約前に無料の試食会を実施しています。必ず複数のサービスを試食し、社員の声を聴いてから判断しましょう。
まとめ
大掛かりな工事をしなくても、温かい食事で社員を元気にできる。
そんな理想を、身近な選択肢として叶えてくれるのが「出張型社員食堂」です。
社員の満足度が上がれば、会社の雰囲気も自然と活気づきます。健康的なランチは午後のパフォーマンスを高め、採用活動では「自慢の福利厚生です」と胸を張って言える、心強い味方になるはずです。
「まず、何から始めよう?」と思われたなら、まずは「味」から確かめてみてください。
セカンドキッチンでは、京都・大阪・奈良の企業様を対象に、無料の試食会を随時お受けしています。「うちのオフィスでも可能かな?」そんなご相談からでも大歓迎ですので、まずはお気軽にご連絡ください。